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第一章
第二章
第三章
あとがき
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「おや、お帰りですか?
では、お気をつけて。またのご来店をお待ちしております」
マスターはいつものように、さわやかな声で見送ってくれる。
店を出れば、また、彼の数多の記憶の中に、埋もれてしまうだろう。
私のことも、『記憶は尊い』という彼の結論も……
私の答えは、やはり出ない。
毎年、思い出される娘の<願い>―― それをいくら叶えても、空っぽの家に、新しい思い出が生まれることは、もうないのだから。