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「ほら、やっぱり。売ってくださらない」

子どもっぽく口を尖らせる彼に微笑みながら、私はカウンターに置いた赤い靴をつかみ、中から小さな手紙を取り出した。

「私は売らないのではなく、売れないのです。


私はあの子が残していった<願い>――

クリスマスプレゼントなのですから」
 

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