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第二章
第三章
あとがき
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考え込んでいた私の耳に、聞き覚えのある音楽が緩やかに流れ込んだ。
この厳かで美しいメロディは……
<神様>の選曲に間違いはないと、若いマスターは自信を持って言う。
クリスマスイヴに、たったひとりで珈琲を飲みにくる、若くもなければ年寄りでもないこんな男には癒やしの曲だろう。
だが――
なんでも知っている<神様>は、私を知らない。 だから、毎回、お願いすることになる。
「マスター。この曲、やめてもらえませんか」